俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…そんなことより、偵察はどうなったんだ!何かわかったのか!」
ヨーテリを抱き上げたまま、なずなは問い掛ける。
するとヨーテリは、ワンワンっ!と可愛く鳴いていた。
この、二面性犬っ…!
すると、ヨーテリは語る。
なずなちゃんのためにお仕事してきたよー。
中はちょーひろくて、いっぱい走ってきたー。
…おまえがダッシュしたことなど、どうでもええわ!
だがそこで、耳の無線がザザッと反応する。
『なずな、式神帰ってきた?…音声ブラッシュアップ』
「了解」
そう答えて、なずなはブツブツとカタカナの真言を唱える。
「…ブラッシュアップ?」
「ヨーテリの声、拓狼さんにも聞こえるようにしたんだ。…ヨーテリ、中はどんなになってる?」
あのねー。
はいって、右側におへやがふたつー。
そのおへやには、ベッドとティッシュとゴムがおいてあんのー。
「………」
…本当に、ヨーテリはただの変態エロ犬のようだ。
左側に、おっきいおへやー。
大ホールだねー。
おんがくしつふたつぶん。
…音楽室二つ分って、どこの音楽室が基準なんだ。なんて曖昧な。