俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
猪狩の表情は、更に驚いたモノとなっている。
しかし、視線を落とし、目が泳いでいる。
これは…何かやましいことがありそうな。
クロだ。これ、クロだな。
こっちが睨んだ通り、この大部屋には何かある。
そして、それを…こいつらも認識してるんだ。
魔力…それは、いったい何なんだ?
沙羅先輩の時のように…魔力増幅の魔法陣とかなのか?
誰が?何のために?
いったい…何があるんだ?
「…まずは、この二つの個室を調査する。私が一人で見てくる。おまえらはそこで待ってろ」
そして、今一度猪狩をギッと睨み付ける。
相変わらずだが、迫力あるなー。おまえのメンチ。
「…おまえ、逃げ出そうとか余計なこと考えんじゃねえぞ?…下手なマネしたら、どこまでも追い掛けて八つ裂きにするぞ!」
「…ひいぃぃっ!わかりました!わかりました!」
猪狩、ビビってる。
危ない危ない。光り物の先っぽ、マジで当たるぞ。
それはやめやめ。
そして、なずなはその先っぽを猪狩にちらつかせながら、少しずつ後退していく。
どんだけ慎重なんだ。猪狩は逃げない言ってるし俺が拘束してるんだ。
大丈夫だっつーの。