俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「いつもいるのか?」
「あ、あぁ。…ほぼ毎日。こっちの部屋全部掃除して、バケモノの世話して帰るんだ」
「バケモノの世話…!」
バケモノの世話をしていく掃除のおじさん?!
それ、明らかに普通の人間じゃねえだろ!
すると、耳の無線から『それはまずいですねぇ…』と、綾小路室長の呟きが聞こえた。
一方、デッキブラシの猛攻に防戦傾向のなずな。
しかし、回避の隙を見て、左手でデッキブラシの柄を捉える。
直ぐ様引き寄せると同時に、なずなの右足の裏はおじさんの鳩尾に炸裂した。
急所への攻撃はさすがにダメージだったのか、おじさんは腹を抱える仕草を取る。
その隙に、手にしていたデッキブラシを突き飛ばすように離し、間髪入れず上段蹴りで体勢崩れたおじさんの頭を狙う。
しかし、おじさんは攻撃に気付いたのか、なずなの蹴りからおもいっきり顔を逸らす。
蹴りはおじさんの被っていた帽子をバスッと擦って、向こうの方角に飛んでいった。
「…何っ!」