俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
その姿を見て、なずなは一歩後退。
俺も…ゾクッとした。
帽子が飛んでいったおじさんの頭は、ダウンライトの照明に反射して、光り輝いている。
スキンヘッド…!
だが、毛髪のないつるんとした頭の後ろ半分には、こっちも驚かされるような、黒一色のトライバルが。
…いや、トライバルというよりは。
異国の字?のようなモノの入れ墨。
イカつい…!
おじさんなのに!
ではなく。
ハゲ!…失礼、スキンヘッド。
のーてんツルピカハゲ丸ヤロー…こいつか!
ヨーテリの言っていたセリフを、思い出す。
《たぶんにんげんじゃないー》
《ヤバいよヤバいよー》
人間じゃない…やはり。
すると、帽子が無くなりおぞましいスキンヘッド丸出しとなったおじさんが、ゆらりと立ち上がる。
「…おまえか?」
そう呟いて、なずなを見る。
帽子に隠れて見えてなかったが…その目付きは、ヤバい。
光を灯しておらず、生気が通ってない。
まるで、あの雷帝のように、ラリってキマった感じの目付きだ。
「あの犬神の主は…おまえか…?」
口から吐き出される言葉、ひとつひとつに寒気を感じさせる。