俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
突然責め立てられた猪狩は、何のことやらパニックになっているが。
なずなも、信じがたい現実に興奮しているようだ。焦ってるのか、早口。
仲裁に入ったら、逆に怒られた…。
『待って待って待って、なずな。どういうことですか?これは』
そこへ、綾小路室長の冷静な口調が差し込まれると、なずなは「うっ…」と急に黙り込んだ。
『黒い羽根を嘔吐する魔族…剣軌くんから話は聞いてたけど、これがそう?』
「あ、あぁ…」
『じゃあ、さっきの猩々鬼は、あの黒い天使の…《マントラ》の生き残りの彼が関わってることで間違いないんだね?』
「………」
『…だとしたら、ちょっと話は変わってくる。でも、あくまでも、このミッションをベースに問いただしていこう?…そこの彼に話を聞いて?』
「あぁ…」
綾小路室長、ナイスフォローだ。
このアドレナリン大量放出中のなずなを黙らせた。
改めて、猪狩に話を聞くこととする。
「…猪狩、さっきの掃除のおじさんは、いつからここにいる?…おまえがVIPとしてここに来た時にはもういたのか?」
「あ…」