俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
そこは積極的にしていかねばならないのは、わかっちゃいるんだけど。
でも普段からヤツは忙しくしてるから、その日は川村やみっちょとステーキ食いに行くんじゃないかとか。
でも本当に陰陽師の依頼が入ってて忙しいんじゃないかとか。
あーだこーだ…。
しかし、グダグダ考えていると、ハッと気付く。
そう考えているうちは、まだヘタレか。
ヘタレ…。
道のりはまだ険しいと思われる。
(………)
ずーんと落ち込む。
残酷物語ではなく、自虐物語になってる…。
重ね重ねに悲しくなって、ガクッと俯いたのち、ふとどうでもいい方向に顔を向けた。
しかし、そこは偶然にも廊下の方向で。
ちょうど廊下から教室を覗いていた人と目がパチッと合ってしまう。
向こうも俺と目が合ったとたん、軽くビビってたが。
(………)
…あれ。
今、目が合ったのって?
その人物を、黙って一点凝視してしまう。
すると、ヤツはこっちに手招きをしていた。
「…伶士、伶士!ちょっと!」
「え?」
夢でも見てるのでしょうか。
教室にまで来て、俺においでおいでしてるの…。
「…伶士!ちょっと…来い!」
…え?なずな?!