俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「…普通のホテルの部屋だな」

「あ、ベッドの下にアダルトグッズありますよ」

「………」

「…ああぁぁ!い、痛いっ!」


なずな、無言で猪狩に蹴りを入れた。

ったく…。



そして、とうとう。

大部屋、大ホールに突入することとなる。





「橘ぁ…」



俺に後ろで腕を拘束されている猪狩が、ボソッと呟くように、俺の名前を呼ぶ。



「…ん?」

「橘は、ここに何しに来たの?」

「え…あー…」

「っていうか、あの女子、何者?めちゃめちゃ強いどころか、何なの?ヤンキー?可愛いけど」

「え、えぇと…」

弱った。そんな質問されても。

まさか俺達が警察の捜査員だなんてことは言えないし、なずなが陰陽師と言っても、猪狩はどこまで理解するんだ?

返答に困って口をつぐんでいるも、猪狩は質問を続ける。

「あの子…橘の彼女?」

「えっ!い、いや…違う」

「え?可愛いのに?中身ヤンキーみたいだけど」

「…コラァ!喋るなっつってんだろが!セブンライトがぁっ!」

「うわああぁぁっ!…は、はいっ!す、すみませんっっ!って、セブンライトって何すかっ?」


< 180 / 492 >

この作品をシェア

pagetop