俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
教室にひょっこり顔を出して、俺を呼んでる。
え?なずな、俺を呼んでるの?
辺りをキョロキョロと見回す。
すると、直ぐ様ツッコミが入った。
「…っつーか、おまえだよ!私が呼んでるのはおまえだ!このクラスに『れいし』他にいるのか?!…この伶士いぃぃっ!」
やはり…!
俺を呼んでた…!
そのツッコミは多少声が張り上がったため、輪の中の話に夢中だったみんなも気付く。
「え?なずぽよ?何で七組来てるの?」
「誰のとこ?…え?橘くんのとこ?!」
ほぼ全員、特に女子が戸口にいるなずなに注目してしまっている!
一方俺は、なずなが俺を訪ねて教室に来たことが、未だ信じられず。
ポカーンとしていると、美森に肘で小突かれる。
「おっ。これはチャンス?…早く立って伶士!」
「え」
「待たせちゃダメ!早く行きな!…なずぽよーっ!ちょっと待ってねー!うちの伶士さん今すぐ行くからー!」
美森は急に声を出して、なずなに手を振りながら呼び掛ける。
え?え?何出しゃばっとる…!
なずなは普通に「お、アンナカさん」と手を軽く挙げていた。