俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「…魔獣?…このバケモノを飼うことが条例違反?んなの聞いたことねえよ!」

「そ、そうよそうよ!学校の授業でも聞いたことがないわよ!」



でしょうね。

みんなが疑惑に思うのは、無理もない。

俺だって、先日の沙羅先輩の現場に立ち合ってなかったら、知らなかった。

魔力の取引、魔族との人身売買は愚か、魔獣を所持飼育することや、それで一般市民を傷付けることも禁止だなんて、今ここで知った。

そうなの…。




「…確かにな。これは術者向けの条例だから、一般市民に周知されてないのは、無理もない…けどな?」



冷静に説明をしているようにも思えるが。

その淡々とした空気が、ちょっと恐いと思えてしまうのは、なずなのことをよく知ってる俺だけだろうか。



「…疑問に思わなかったのか?こんな動物なのか何なのかわからない、バカデカい生き物をここで飼ってることを。大問題だぞ」



ザワツキは少しばかりか、静かになる。

そこは核心だったのか、やはり何も言えないようだ。

「………」

隣にいる猪狩も、再び俯いていた。


< 194 / 492 >

この作品をシェア

pagetop