俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
そう展開する想像力、半端ない。
ちゃんと根拠に基づいて考えてるのか?
綾小路室長のいうように、本当に酒とドラッグにやられてしまったんだろうか…。
「時に…」
笑いたい気持ちが収まったのだろうか。
なずなが、いつものように偉そうに腕を組んで話し出す。
「…時に、この魔獣は、どこから持ってきた」
VIPらにそう投げ掛ける。
魔獣の檻を見つめながら。
なずなが檻の傍に寄ると、魔獣はガタンと
鉄格子にぶつかりながら、なずなの方に顔を向ける。
奥にいる伊藤さんから離れた。
「………」
そして、その魔獣の目を…じっと見つめていた。
「どこから持ってきたって?…そんなの知るか。俺達がVIPに入った頃にはもういたんだ。先代のVIPから代々引き継がれているんだよ!」
ぶっきらぼうに話すのは、二年の一ノ瀬だ。
しかし、なずなはそれを聞いて、顔色を変える。
「何っ?!…引き継がれている?…魔獣をここで何年も飼ってるっていうのか?!」