俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
すると、奥の方で「クックッ…」と、笑い声が不気味に響いていた。
「…さっきはイラついたけどよ?…これはこれでまた面白いな?…あはははっ!」
またしても、高橋!
毒キノコの笑いか!
結局、高橋の台本通りになってしまった感じか?
何もされてないけど、してやられた気分…!
残念、ガッカリさせられる。
とんでもない根性の勘違い集団に、どうもならなくて、ガクッと肩を落とす。
…いや、そんなことをしてる場合ではなかったのだった。
すると、その時。
キリキリキリキリ…と、耳に障る音に体がビクッと反応する。
反射でバッと顔を上げてしまう。
間近で聞くと、そうとう大きい音。
耳だけではなく、肌をもざわざわとさせる震動が伝わってくる。
「…やっ!…また鳴いてるよ!このバケモノ!」
「ったく、るっせぇな!毎度毎度!」
不快な騒音に、VIPレディクラ連中は嫌な顔をしてバッと耳を塞いでいる。
耳を塞いだまま、檻の方を見ると。
なずなが檻の前に立っていて、鉄格子越しに、魔獣と向かい合ったカタチになっている。