俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
そう怒鳴り散らして、檻越しにバケモノを足の裏でバコン!と蹴りを入れた。
魔獣は衝撃で、フラッと後ろにフラついている。
そして、またキリキリ…と、声をあげた。
「…うるせぇぞ!コラァ!」
魔獣に蹴り…なんてことを!
「…何してんだよ、クズ」
それを見ていたなずなは、フラッと足を前に踏み出す。
フラリと高橋の方へと歩いていった。
「…さっきの女の子も、あのガイシャも…この魔獣も…クズなあんたらのくだらないオモチャになるために、生まれてきたんじゃねぇよ…」
なずなの声は、重く響く。
「人間ってのはな?…誰もが、幸せになるために生まれてきたんだ…!」
「…あぁ?綺麗事か?…やんのかこの女あぁっ!」
「………」
高橋の方へ?…まさか、ここで高橋にも?!
軽く払っただけで、手がオシャカ…。
恐らく、拳一発は、とんでもない事に…!
『…なずな!…なずな!やめなさい!怒りを抑えなさい!…なずな!』