俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
怒りに溺れてしまわないように
★★★
…まさに、一触即発の時だった。
『…なずな!返事をしなさい!…なずな!』
綾小路室長の無線越しの呼び掛けもむなしく、なずなには届かない。
なずなはもう、卑劣なクズヤローへの怒りで頭がいっぱいなのだと思われる。
表情も無い中、目が…静かに血走っている。
「…本来、魔族ってのは、人間を最高級の食糧としていて、目の前にすると食べたくて食べたくて仕方ない連中…」
そう呟きながら、なずなはゆっくりと高橋に近付いていく。
「…でも、この吸血魔獣は人間を食べない。人間に対して友好的な思想を持っているからな?…人間を食べることを自ら禁じている種族だ」
人間を食べない魔族…人間に友好的な魔族?
そんなのいるのか。
思想で人間を食さない…こっちの世界で言うと、宗教みたいなものなんだろうか。
肉を食べない宗教、あるもんな。
そして、高橋の目の前に現れたなずなは、足を止める。
「…それなのに、そんな魔獣に、おまえらはあえて人間を与えるような行為をしやがって…結界に監禁するようなマネしやがって!」
…まさに、一触即発の時だった。
『…なずな!返事をしなさい!…なずな!』
綾小路室長の無線越しの呼び掛けもむなしく、なずなには届かない。
なずなはもう、卑劣なクズヤローへの怒りで頭がいっぱいなのだと思われる。
表情も無い中、目が…静かに血走っている。
「…本来、魔族ってのは、人間を最高級の食糧としていて、目の前にすると食べたくて食べたくて仕方ない連中…」
そう呟きながら、なずなはゆっくりと高橋に近付いていく。
「…でも、この吸血魔獣は人間を食べない。人間に対して友好的な思想を持っているからな?…人間を食べることを自ら禁じている種族だ」
人間を食べない魔族…人間に友好的な魔族?
そんなのいるのか。
思想で人間を食さない…こっちの世界で言うと、宗教みたいなものなんだろうか。
肉を食べない宗教、あるもんな。
そして、高橋の目の前に現れたなずなは、足を止める。
「…それなのに、そんな魔獣に、おまえらはあえて人間を与えるような行為をしやがって…結界に監禁するようなマネしやがって!」