俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
先輩がやられて闘争心剥き出しになったのは、一年のVIPたち。
今度は俺に喰ってかかってくる。
「…伶士っ!」
「いい!おまえは!」
身を乗り出してくるなずなを制止して、迎え撃つ。
「橘おまえぇぇっ!」
そう叫んで、俺の懐に手を伸ばしてくるのは、一年の向井。
俺の襟元を掴んでやろうとしてるようだが、そんなことはさせてやらん。
向かってくる手を弾いて捻り上げる。
「痛ぇっ!…いたたたっ!」
うめき声をあげるが、そのまま背に回してやり、軽く突き飛ばす。
バランスを崩して、ゴロゴロ向こうに転がっていった。
…勢いだけかおまえは!
すると、背後から気配を感じて振り向く。
同じく一年の南平が、俺の肩を背後からわしづかみしていた。
何をしたかったのかわからないが、バッと強く振り払うと、「…あっ!あっ!」と、勝手にフラついて、尻餅をついている。
…自爆か!何をしたかったんだ!
「…へぇー?…在学中は目立たないように過ごしてたくせに?空手やってんの本当だったのか?」