俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
しかし、一息つく間もなく。
今度は出入口の方が騒がしく、慌ただしくなっていることに気付く。
「…きゃっ!…何?何なんですかあなた方は!」
「誰?…誰だ!」
先ほど逃げたと思われるVIPやレディクラの面々の騒ぐ声だ。
戻ってきたのか?
…いや、戻ってきたのではなく。
「はい!はいはーい!…北桜学園のVIPレディクラの方々!…状況落ち着いたので、一旦お部屋にお戻りくださーい!」
そう声をあげながら、VIPレディクラたちを誘導し、この大部屋に入ってくるのは。
先ほどまで無線の向こうにいた、綾小路室長?!
こっちにやってきたのか!
そして、綾小路室長の後ろに続くように、スーツ姿のおじさんや男性…制服姿の警官まで!
列になって、数十人という…ビックリする人数でやってきた!
これは…!
…い、いや。
《準備整い次第、突入します》
突入してきたってワケ…!
薫や猪狩、高橋を含むVIPレディクラの面々がざわざわしながら集まっているその目の前に、一歩前に出て頭を下げるのは、綾小路室長だ。