俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
でもぶっちゃけ、ほぼ逢い引きに使われているけど…。
何を隠そう、俺と沙羅先輩が会う時もそこを使っていた。
でも、それは言わない。
なずなには知られたくないので…。
「…で、個室三部屋の更に奥には、VIP専用の部屋がある。でも、ここはVIPとレディクラしか入れない。俺も入ったことないから、扉の向こうはわからない。話によると、同じく大部屋ひとつと個室二つぐらいあるみたいだけど」
「VIPとレディ…なんとかしか入れない?」
「この扉には顔認証セキュリティシステムを付けているんだ」
「はぁー。随分高価なもんつけてんな。単なるガキのアジトだろ?」
単なるガキのアジト…端から見たら、そうだろな。
でも、そこは北桜学園。
VIPは絶対で。
単なるガキのアジトも、絶対的聖域。
「VIPの秘密のアジト…なるほどね」
その紙を手にしてじっと見つめるなずな。
無言で、何かを考えているようだ。
しかし、なぜ?
何で、なずなが北桜学園のVIP専用ラウンジのことを?