俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
好きだと言ってしまった…!
「………」
なずなからは何の反応もない。
わかってる。わかってるよ。
このタイミングじゃなかった…!
恐る恐るなずなの肩から顔を離して、その顔を上げる。
なずなの様子をチラッと伺うが。
「………」
なずな、目を丸くして固まってる…!
「な、なずな、あのっ…」
「…ん、ん?」
「…あ!いた!…伶士!」
次のセリフを口にしようとした時。
遠くから名前を呼ばれて、ガクッとさせられる。
この声…凌憲?!
がっかりとしながら、声の方に目をやると、やはり声の主は凌憲だった。
傍には、生徒会長の仁木さん、そして…先ほどなずなが救出した伊藤さんがいる。
俺達を見つけた凌憲らは、こっちにやってくる。
慌ててなずなから離れてしまった。
「凌憲、まだいたのか?」
「うん。仁木さんと生徒会室で待機してたんだ。まさか伊藤さんが…」
仁木さんの隣にいる伊藤さんが、ペコリと頭を下げる。
先ほどの件もあるからか、まだ元気のない様子だけど。
「…警察がさっきの件で伊藤さんに話を聞きたいって、これから警察本部に行くんだ。僕らも付き添う」
「そ、そうか…」