俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「しまった…何で気付かなかったんだ!」
「ど、どういうこと?」
「…よく考えてみろ!私達が踏み込んだ時に一年VIP四人が揃ってるのはおかしいんだ!」
そう叫びながら、なずなは駆け出して行く。
一年VIP四人揃ってるのはおかしい…?
言われた通り、よく考えてみる。
記憶を掘り返して、辿って。
《VIPは二年二人、一年二人。レディクラは…五人。レディクラはこれで全員》
《…VIPの一年、後二人残ってる。そこに掛けるしかない》
《来るかどうかもわからないぞ?》
《男一人、女三人…大ホールにいる四人は、さっきの連中で間違いなさそうだな》
(…あっ!)
そうだ…!
高橋や薫らの第二弾の大勢の集団が来た時点で、レディクラは全員中へ入っていて。
残るVIPは、後二人だった。
その後、ヨーテリが帰って来て、第一弾は伊藤さんを含む四人だと判明している。
その後、猪狩が現れた時点で俺達は中へ潜入。
まだ現れていない一年VIP一人を残して。
中には他に掃除のおじさんに扮した赤鬼ゴリラはいたが。
俺達の後からあの部屋に入ってきたのは、誰もいない。
でも…最後の一人、南平はすでに中にいた。