俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…んなわけないだろ。VIPのことなんて、何も無い限り外部の人間が聞くか。何かあったのか?」
「あー…」
すると、視線を斜め右に逸らして、言葉を詰まらせる。
またより良い返答の言葉を探しているようだけど。
何となく…察してきた。
の、だが。
「大したことじゃない。気にするな」
「…そう言われて気にならないヤツ、いる?仮にも自分のかつての学舎の話だぞ?」
「い、いるだろ!少しくらい」
「じゃあ俺はその『少しくらい』の人間じゃなかったということだ。…何があったか教えろ」
「はっ?私に命令すんのか!偉そうに!」
「おまえほど偉そうにしてるヤツ、この世にいない」
「そ、そうじゃない!…だ、ダメだ!重要機密事項だ!」
この会話のやりとりと、なずなの慌て始めた様子から、もうわかった。
恐らくこれは…依頼だ。
北桜学園絡みの依頼?
それはいったい、何?
考えれば考えるほど、疑問が重なって止まらない。
その旨をそのままストレートにぶつけてしまう。
「…北桜学園で何があった?」
「…は?…は?は?…教えるか!じ、じゃあな!」
「…待て!」