俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「…んなわけないだろ。VIPのことなんて、何も無い限り外部の人間が聞くか。何かあったのか?」

「あー…」



すると、視線を斜め右に逸らして、言葉を詰まらせる。

またより良い返答の言葉を探しているようだけど。



何となく…察してきた。

の、だが。



「大したことじゃない。気にするな」

「…そう言われて気にならないヤツ、いる?仮にも自分のかつての学舎の話だぞ?」

「い、いるだろ!少しくらい」

「じゃあ俺はその『少しくらい』の人間じゃなかったということだ。…何があったか教えろ」

「はっ?私に命令すんのか!偉そうに!」

「おまえほど偉そうにしてるヤツ、この世にいない」

「そ、そうじゃない!…だ、ダメだ!重要機密事項だ!」



この会話のやりとりと、なずなの慌て始めた様子から、もうわかった。



恐らくこれは…依頼だ。



北桜学園絡みの依頼?

それはいったい、何?



考えれば考えるほど、疑問が重なって止まらない。

その旨をそのままストレートにぶつけてしまう。



「…北桜学園で何があった?」

「…は?…は?は?…教えるか!じ、じゃあな!」

「…待て!」


< 28 / 492 >

この作品をシェア

pagetop