俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

すると、黒い翼の彼は「あははっ」と笑い出す。

その仕草のひとつひとつでさえ、不気味でゾッとさせられる。



「…やだなぁ?僕の仕業だなんて?」



不気味にクックッ…と笑い続けて、その細い目で俺達を見渡す。



「…あの吸血魔獣は元々『僕ら』の所有物だったんだよ?」

「おまえら《マントラ》の?…そうか」



飄々としている風祭さんが、いち早くそのセリフに反応する。

黒い翼の彼は、ウンウンと頷いていた。



「二年前の事変の際…僕ら《マントラ》が、魔界から家畜としてこの世界に持ってきたものさ?だから、元々は僕らのもの」

「…活動資金を得るために、金の持ってる人間に売り付けたってことだろ。当時、警察があれだけ躍起になって回収してたのに…まだ残っていたとは」

「そういうことになるね?」

黒い翼の彼は、やけに勝ち誇ったような顔をしている。

そして、ここから少し離れた場所で、今まさに新しい檻に入れられようとしている魔獣の方を向いて話す。



「吸血魔獣は、人間には友好的だから扱いやすかったのさ?だから、わざわざ魔界の最下層から持ってこさせたんだ」

「…おまえぇぇっ!」


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