俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


「…まずい!…悠介!」

「了解です」



綾小路室長の声と共に、風祭さんはその場けら駆け出す。

回転する足は速く、全力疾走で魔獣や青鬼ゴリラの方へと走っていく。



「…鉛白の刃、雄黄の光……出でよ、『七支刀御霊剣』」



走りながらもそう呟いて、風祭さんは右手を天に翳す。

すると、空間を斬るように、乳白色の光と共に…現れた。



白い鞘に納められた、刀が…。



風祭さんはそれを手に取りながらも、青鬼ゴリラのいる現場まで走って急行する。

「…総員そいつから退け!…魔獣を守れ!」

周りにいる隊員にそう呼び掛け、走りながら、その剣を鞘から抜いた。

剣身の根元に、左右段違いに3本ずつの枝刃が飾りのようにあしらわれている。



「…白群の泉・濃藍の天空…」



声に反応して、剣は光り出す。

その剣を振りかざして、風祭さんは青鬼ゴリラの前に躍り出た。



「…剣咒《水星乱舞》」



青鬼ゴリラに向かって振り下ろされた刃は、唸る水の渦を纏っている。

水が渦となって。

舞って踊るように、青鬼ゴリラの身を包んでいく。


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