俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
オーラの塊のような銃弾に当たったコウモリは、『ギイィィッ!』と、汚い悲鳴をあげて一気にその姿を消す。
同時になずなの「やめてえぇぇ!」という悲痛な叫びも響いていた。
…こんな状況でも、おまえは減俸の恐怖に踊らされるのか!
こんな状況なのに、なずなはあわあわしている。
「か、稼ぎ以上の仕事をしますから!……Knight,move on…」
「…あっ!こら!そうじゃない!」
「Kinnara,sowaka!」
「従者パワー、さっきも使ってるでしょ!霊力底尽きますよ!…ああぁぁっ!もう!」
左耳のピアスはキンキンに光を保ち、なずなは黒い翼の彼のもとへとダッシュしていく。
再び従者パワーを発動させ、さっきよりスピード増になっている。
「…リグ・ヴェーダあぁぁっ!…おまえだけは私が殺る!」
そう叫ぶなずなの手には、すでにパイ…いいえ、白い蓮華の花が。
いつもの大技だ。
相手の返答待たずに間髪入れず投げつける。
「…へぇ?僕にケンカ売るの?殺ってごらんよ?」
自分に襲いかかってくる白い蓮華の花を、飛んで回避。
大きな翼をはためかせて、木の枝から足を離す。