俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
あちらでも、ドンパチが始まってしまった。
「全然わかってない!…鉄砲玉みたいなところはお父さんと一緒ですか!…ああぁぁ、もう…」
深いため息をついていたが、変わらない戦況の中で綾小路室長は銃口を向けるのを忘れない。
宙に舞うコウモリを、オーラ弾が発射されるリボルバーで、どんどん撃ち落としていく。
「なかなか数減りませんね…」
確かに。
綾小路室長の呟きに、同調してしまう。
むしろ、どんどん増えているような。
室長一人でこの数…ぶっちゃけ対応大変だろ!辺りは薄暗くてよく見えないし。
俺がその銃撃を手伝うことなんて出来ないし。
みんなそれぞれ逃げ惑っているから、あちこちにいるし…。
…あ。そうなのか。
みんなそれぞれに逃げて、コウモリが広範囲に散らばっているから。
室長も狙いを定めるのが大変なんだ。
「…おい!…全員こっちに来い!ひとつに固まれ!」
「橘…?」
「集団ひとつに固まれば、相手も固まって攻撃してくる!」
「え?」
…あのコウモリは、俺達を狙ってくる。
だから、俺達がひとつに纏まっていれば、コウモリだって狙う箇所はひとつ。
そうすれば、室長だってターゲットを定めやすい、はず。