俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…あっ。逃げられる」
もさ男がそう呟いたが。
「…あっ、そうか!」
風祭さんはハッと何かに気付いた様子で、舞う大量の黒い羽根の中へと、刀を振りかざして踏み込んだ。
大量の黒い羽根に覆われて姿が見えなくなる。
しかし、そこへ急に竜巻が立ち上り、黒い羽根は風に乗って消し飛んだ。
「ゆ、悠介っ!」
身を案じた綾小路室長の呼び掛けが聞こえる。
しかし、消え去った黒い羽根から見えたその光景は。
風祭さんがちょうど剣を振り下ろしていて、ガシャン!と金属を切り裂く音が響いていた。
破片が街灯に反射して、キラキラと碧く光っている。
碧い…切り裂いたモノは、宝石か?
すると、黒い羽根も一斉に弾けて無くなり、粒子となって地にこぼれ落ちていた。
「魔族の…核(コア)?」
「そーゆーことデスか。これで黒い羽根を吐く彼らの消し方がわかりました。魔族の核を壊せばいいんですネ」
すると、またしても。
彼だ。
「あははっ。バレちゃった?」
また、無機質に笑っている。