俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
右翼の外側、下側が焼け焦げて無くなっていて。
炭となった翼の燃えカスがポロポロと落ちていた。
「…へぇ?さすが『神童』だよね?一瞬で僕にこんなにダメージを与えるなんて?」
「神童云々の問題じゃないデスヨ」
「あははっ」
自分がダメージを受けているにも関わらず、無機質に笑い続ける…本当に不気味だ。
恐怖すら感じる。
しかし、玲於奈はそんな彼を前にしても、ただノーリアクションでいた。
先ほど、特攻隊のように敵に突っ込んでいった黄金の鳥が戻ってきて、玲於奈の肩に留まっている。
むしろ構わず、淡々と言葉を叩き付けるのであった。
「さあ、どうしマスカ。このまま僕と続けますか?」
「…は?」
「最も、その状態じゃろくに戦えないでしょうけどネ。お仲間も風祭クンにやられちゃいましたし」
「…へぇ?」
それを耳にして、彼は翼を翻す。
ボロボロで、燃えカス落ちまくっている翼を。
「逃がしてくれるんだ?…ありがとう?」
「………」
そのボロボロの翼はバタバタと羽擊き始める。
…逃がすのか?!