俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
上げた顔をクワッとしかめて、顔をビキビキと引きつらせている。
まるで般若のように…!
ここ一番のお怒りだ!
「ありゃ」
もさ男玲於奈は、たいしたリアクションもなく、ただ呟くのみだが。
真逆にそこのお嬢さんは、般若のごとくご立腹しておられる。
「逃がしても良い?…翼ぶっ飛ばして、あと一息だったじゃねえかぁぁっ!何やってんだコラアァァッ!」
「イエイエ。まずは人命を優先させろとボスが。一般市民たくさんいますからネ」
「人命?!」
「ボク達の戦いに、一般市民を巻き込んではいけませんヨ。ほらほら、なずなサンなら周りを構わずついうっかり大技ぶっ放して…」
「はあぁぁっ?!…私がそんなミスをすると思うか!…コラアァァッ!」
今ので頭にきたのか。
顔を真っ赤にし、怒りのオーラを背負ったまま。
詰め寄ろうと玲於奈の元へとズカズカ足を進める。
「イエイエ。そうではないですが、もしお仲間を呼ばれてしまったら、ボクたちだけでは太刀打ち出来ませんし」
「私達、拓狼さんと風祭、四人いれば何とかなるだろ!」
「イイエ。三人ですよ。それはちょっと分が悪いデス」