俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「撤収まではまだ時間かかるなー。…玲於奈はこの後どうすんの?」
するとそこへ、綾小路室長がやってきた。
俺達の傍で、何も喋らずもさっと立っているもさ男に話し掛ける。
「…取り敢えず、月桂樹病院に戻ります。ボスと弓削センセーがいるんデ」
「あ、そう」
「二人を拾ってから本部に顔出しますよ。弓削センセーが吸血魔獣を見たいと言ってるので。SSRだって興奮してましタ」
「おー弓削先生来てくれると助かる。魔獣の処置してもらえるかなー」
「シマスヨ、きっと」
「じゃあ…」
そして、綾小路室長の視線がこっちに移る。
沈没中のなずなの方へ。
「…このお嬢さんはどうする。白目のお嬢さん」
「あー」
再び、二人でお嬢さんの顔を覗き込む。
一向に目を醒まさず、俺の膝に頭を乗せている白目のお嬢さんを。
「…ボクが連れて帰りますヨ。今日はハイエースで来てるんで、車で寝かせときます。今日はもう起きないデショ」
連れて…帰るだと?
おまえが?
ち、ちょっと!