俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
と、その発言に多少イラッときてると、玲於奈が目の前にやってきて、目線の高さが同じになる。
「…あ、お世話してくれてスミマセン」
「あっ!」
一言声を掛けられた後、俺の膝の上のなずなをひょいと軽々抱き上げて、立ち上がる。
と、取られた!
取られた!
「たくろークンすみません、車のドア開けてもらってもいいですか?」
「あ、はいはい」
そして、なずなをお姫様抱っこしたもさ男は、くるっと方向転換し、綾小路室長を連れて、駐車場の方へとスタスタと去ってしまう。
連れてかれた!
このっ…!
ここで、イライラが上昇する。
こいつ…!
何が『お世話してくれてスミマセン』だ?!
まるで、なずなを自分のモノのように、女のように…!
さっきの口論だって、イラッとしてんだぞ俺は?!
口喧嘩なのに、何故か仲良しに見えたし。
可愛い連発しやがって…!
もさ男の背中に殺気を飛ばしながら、惰性で二人の後を着いていく。
もさ男、俺より背が高い。腹立たしい。
近くで見ると、結構イイ体してんな。
腹立たしい。
なんて。