俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「よ、40?!」
「うん、40。僕と同じ歳なんだ。見えないでしょ?神童って、若作りな人多いんだよねー」
「………」
いや、綾小路室長と同級生ってのは、わかるけど。
40歳?
20代後半~30代前半かと思ってた…。
若作り…。
「しかし、君は機転が利く子ですね。こっちの指示もすんなりと対応出来てましたし?将来ウチに来ませんか?…だなんて言ったら、橘社長に怒られちゃうかな」
「あの…」
「…ん?何?」
「聞いても…いいですか?」
ひょっとしたら、こんな機会、滅多にないかもしれない。
その道の人に話を聞けるなんて。
そう思って、尋ねることにした。
「あの黒い翼の人…何なんですか?」
正直、なずなには聞きづらい。
親の仇だとか、怨み辛み人生とか。
なずなと彼の間には…俺がむやみに首を突っ込んではいけない、根深い事情がありそうで。
「…なずなには聞いてないの?」
「………」
「…聞けるワケないか。何となくわかるよ、うん」
そして、少しの沈黙の後に。
室長は教えてくれる。
「うーん…何者かと言われたら、元々人間だった、魔族…かな」