俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「えっ…」


元々人間だった、魔族…?

何、それ…?



「正確に言えば、半分人間で半分魔族。…魔族と取り引きを行って、魔族同等の力を手に入れた者たち…の、一人」

「取り引きって…!」

「うん。人間側は自分の体の一部を差し出して、代わりに魔族から力…魔族の心臓ともいえる『核』の一部をもらう。そうすると、魔力を使える人間ベースの魔族が出来上がるんだ」



『核』って…さっき、風祭さんが刀でぶった斬っていた…宝石のこと?

あれを分けてもらえば、魔力が手に入るのか?



「そんな半人半魔の連中が集まった集団が《マントラ》。…リグ・ヴェーダは、その一員だったんだ。…最も、マントラは二年前の『事変』で僕たちや神童軍によって封印、殲滅。唯一生き残ったのが…彼、リグ・ヴェーダ。本名、大石明生、現在23歳」

「えっ…!」



あの黒い翼の彼…元々人間だったのか?!

本名、地味…ではなく。



「封印、殲滅…ですか」

「あの頃…三年ほど前に、巷で魔族と取り引きをした半人半魔が横行するという事件があってね?そいつらが集まって、ひとつの集団となった」


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