俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
…それから、忠晴に連絡すると、速攻でお迎えの車が地下鉄駅にやってくる。
先日同様、車の中から家の中までお説教をくらい、とても悲しい思いをした。
もう俺だって、高校生だよ!
と、言いたいところだが…度重なる誘拐未遂歴を知ってからは、あまり偉そうに言えなくなってしまっていた。
しかし、お説教がようやく終わっても。
今度は…今日の出来事が思い返される。
なずなとの潜入捜査は、成功。
でも、それと引き替えに…北桜学園のこれからを案じてしまい。
気になって気になって、ずっと考え込んでいた。
遅かれ早かれ、こうなる運命だったとか。
俺のせいじゃない、とか。
そんな事を言われても…じゃあ。
じゃあ、これからみんなはどうなるんだ?
俺に何か出来ること、ないのか?
と、思っても。
学園を去った俺には、もう何も出来ない。
…なずなの心に抱えた過去の痛みだって。
俺にはどうしようも出来ないことで。
そう思うと、なんて自分は無力なんだろうと思うばかり。
その事が頭から離れず。
ビバ連休の翌日も。
その翌日、クラスのみんなと遊びに行っても。
その事ばかりを、考えていた。