俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
あまりにも珍しいので、早い時間に帰ってきた兄貴を目で追ってしまう。
今日たまたま一緒に遊んでくれる人がいなかったんだろうか。
いやいや、友達多い兄貴にそんなことある?
不思議…。
「…今日、どうして早く帰ってきたの」
俺と入れ違いに食事を始めた兄貴に、ふと尋ねてしまう。
兄貴は味噌汁の匂いを嗅いで、「ああぁぁ…」と声を出し、なぜかほやほやしていた。
「お味噌汁の香りしみる…忠晴のお味噌汁が一番だなー」
「………」
いつも通り、あまり構われてない…。
まあ…いいか。
そう思って席を立つ。
「…今日は警察行ってたの。いつ終わるかわかんなかったから、誰とも約束しないで帰ってきた」
「…え?」
警察…?
前に進む足が出なかった。
「警察って…」
「…知ってるでしょ。北桜学園のラウンジに警察が入ったこと」
「………」
「警察から連絡来て、話聞きたいって。歴代VIPとレディクラ、みんな呼ばれてる」
とうとう、兄貴らのところまで…!
何も口に出せずに固まっていると。
兄貴の味噌汁をすする音が聞こえてきていた。