俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
何を話せばいいか、言葉を探していたが。
「くっ…ふっ…くくっ」
兄貴が…笑ってる。
何が可笑しい…?
いつもとはちょっと様子の違う笑い方をする兄貴に、戸惑いを隠せない。
様子を伺うように、黙って見守っているが、兄貴は笑いながらこっちを見る。
そんなに、味噌汁旨かった…?
「…だから、言ったのに」
「え…」
「…いずれこういうことになるから、あのバケモノを手放せって、俺言ったのに…」
「あ、兄貴?」
「…ホンっト、バカだよな?その上ドラッグ所持もバレてやんの。ザマーない。親の金と権力だけでふんぞり返ってるからだよ」
「………」
「VIPなんか…クソ食らえだ」
そう言い捨てて、兄貴は嘲笑を続ける。
兄貴がこんなどす黒いことを言うなんて。
「クソ食らえって…」
「…ごめん、伶士。ついつい本音が出ちゃった。あははは」
「…だ、だって、兄貴だってVIPの一員だったじゃねえか」
「でも、本当だよ。俺、VIPの連中を友達、仲間だとは思ってない。だから、今回のことはザマーミロと思ってる。親の金と権力で偉そうにしていて先生や生徒を支配する…罰が当たったんだよ」