俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

仲間だと思ってない?

罰が当たった、ザマーミロ?



VIPなんか、クソ食らえ…?



兄貴が、そんな風に思ってたなんて、知らなかった…。



気付かなかった真実に、茫然とする。

だって、兄貴はVIPやレディクラとも仲良くしてて…いつも一緒に…。

あ…いなかったか。

兄貴の周りにいっぱい人が集まり、それなりに仲良くしているだけで、兄貴は基本一匹狼だった。そういえば。



「な、何で…?」



兄貴の本音の内を知りたいと思い、恐る恐る聞いてみる。

兄貴は、どす黒い笑みのままだった。



「言葉の通り。親の金と権力で自分を『選ばれた人間』と思い込んでるのがアホくさい。大人を敬うことが出来ない連中なんて、ただのカス」

「アホくさ…?」

「だって学校だよ?…学校って、先生に勉強教わって友達作りに行くところでしょ?みんなが楽しいはずの場所に、格差とか権力とか…『選ばれた人間』なんて、いらない…」

「………」



ちょっとビックリした。

兄貴がこんな庶民に近い感覚を持ってるなんて。

いや、平和主義ともいうべきか。


< 338 / 492 >

この作品をシェア

pagetop