俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
仲間だと思ってない?
罰が当たった、ザマーミロ?
VIPなんか、クソ食らえ…?
兄貴が、そんな風に思ってたなんて、知らなかった…。
気付かなかった真実に、茫然とする。
だって、兄貴はVIPやレディクラとも仲良くしてて…いつも一緒に…。
あ…いなかったか。
兄貴の周りにいっぱい人が集まり、それなりに仲良くしているだけで、兄貴は基本一匹狼だった。そういえば。
「な、何で…?」
兄貴の本音の内を知りたいと思い、恐る恐る聞いてみる。
兄貴は、どす黒い笑みのままだった。
「言葉の通り。親の金と権力で自分を『選ばれた人間』と思い込んでるのがアホくさい。大人を敬うことが出来ない連中なんて、ただのカス」
「アホくさ…?」
「だって学校だよ?…学校って、先生に勉強教わって友達作りに行くところでしょ?みんなが楽しいはずの場所に、格差とか権力とか…『選ばれた人間』なんて、いらない…」
「………」
ちょっとビックリした。
兄貴がこんな庶民に近い感覚を持ってるなんて。
いや、平和主義ともいうべきか。