俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「じゃあ…兄貴は魔獣、バケモノのことは知ってたのか?」
先の件で、高橋が言っていたことを思い出す。
その真意を問うと、兄貴はいともあっさり答えた。
「うん。知ってた…」
「………」
「…と、いうか。沙羅からも少し聞いてたし、校外の友達が教えてくれて。それまでは気付かなかった。俺、ラウンジには行っても、奥には立ち寄らないし」
「校外の…友達?」
頷く兄貴。その表情は、嬉しそうな笑顔だ。
「うん、友達。俺の数少ない友達と呼べる友達。…ひょんなことで出会ったんだ」
…それは、三年前。
兄貴が高校二年生の時のこと。
ひょんなこと…とは、詳細は教えて貰えなかったが、兄貴が警察通報寸前の何かをやらかしたらしい。
珍しいな。
それを庇ってくれたのが、その友達だったという。
出会って数ヶ月経った、その秋。
その友達から急に連絡が来る。
『おまえ…確か北桜学園だったろ?ちょっととんでもないことになってるんだ』
よくよく聞くと、その話は。
VIPが、怪しい人から魔獣を購入したという。
魔獣…?