俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…最初、言われてもピンとこなかった。異世界の生き物だとか、暴走して暴れると人一人簡単に殺されるとか、そのバケモノ自体、拐われてこの世界に来たとか…その彼は、その当時、どうやらその魔獣を回収する仕事を、警察や仲間としていたみたい」
魔獣を回収する仕事…?
警察が当時、金持ちの購入した魔獣を回収に躍起になっていたとは、チラッと聞いたけど。
「…だけど、彼とラウンジの奥の部屋に踏み込んで、その姿を目にして納得したよ。あんなゾウみたいな大きさのバケモノ、学校の地下で飼っていたなんて」
「………」
「沙羅からは『そのバケモノを使って生徒や先生を威嚇している。やめさせてほしい』ってことを前々から聞いてはいたんだけど…俺、信じなくてね。すげー後悔」
「…沙羅先輩が?」
「沙羅はそういうイジメとか好きじゃないの。全人類手を取り合えるようにと思ってるただのエロ女」
「エロ女…」
「…だけど、俺もその考え方は嫌いじゃない。取り敢えず楽しくやりたいエロ男だから?ぷぷっ。…そんな危険なモノ、飼ってるなんて反対。だから…みんなを説得しようとしたんだ」