俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
『…おまえらの身を案じて頭を下げるヤツの、どこがだっさいんだよ!許されないわ!…もういい』
逆にそう反論して、兄貴に顔を上げさせる。
『…悪いけど、ここは見なかったことにする。警察にも報告しない。もう知らん。おまえらがどうなろうと』
そして、VIPらに捨て台詞を吐いて、兄貴を連れて去ってしまうのだった。
『罪と命は別…と、おまえらにはそう思えないわ。バカは勝手に死ね』
…で、今日まで至っていた。
ということだった。
「…この話と、彼の名前を出したら警察さんはわかってくれたみたいで。お咎めなしで、事情聴取は思ったより早く終わったよ」
「そ、そうか…」
「ドラッグのことも聞かれたけどね。でも本当に全然わからないから、あまりしつこく聞かれなかった」
少しホッとする。
高橋の言っていた話は本当だったんだ。
よかった…。
しかし、安堵も束の間。
兄貴はまた「ふふっ」と、あのどす黒い笑みを漏らして、ゾクッとする。
キャラじゃないから、余計恐い。