俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

自分が悪者になってまでも、俺に隠れてやること…?

俺のためだからって…。

やり過ぎでしょう!



…でも、その時、気付いた。



兄貴も不器用だったんだ…実は。



完璧な学園の王子様も。

所詮は、ただの二十歳の青年。




「ったく…」

「ん?」

「そういう言い分もあるなら、ちゃんと話してくれよ。俺だって兄貴を信用してないワケじゃないし。それに、正直…あん時キツかったんだから」

「………」



そう言うと、兄貴は何も言わず。

目をパチクリさせて俺をじっと見ている。

な、何だよ。



そして…。



「…ぷっ。…あははは!」

「は?!…何がおかしいの!」



突然、失笑からの大爆笑になった兄貴に、思わず突っ込んでしまった。

だって、人の顔見て急に笑い出すとか、失礼過ぎるでしょ!



「いやいやいや、ごめんごめん。そうだね?伶士を傷付けて深く悩ませたのは、本当に悪かったと思ってる。ごめんごめん。…でも、俺がやったことは間違ってない。と、思う」

「…何っ!」



でも、あんたのやったこと、倫理道徳的に全然間違ってるよ!


< 347 / 492 >

この作品をシェア

pagetop