俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
自分が悪者になってまでも、俺に隠れてやること…?
俺のためだからって…。
やり過ぎでしょう!
…でも、その時、気付いた。
兄貴も不器用だったんだ…実は。
完璧な学園の王子様も。
所詮は、ただの二十歳の青年。
「ったく…」
「ん?」
「そういう言い分もあるなら、ちゃんと話してくれよ。俺だって兄貴を信用してないワケじゃないし。それに、正直…あん時キツかったんだから」
「………」
そう言うと、兄貴は何も言わず。
目をパチクリさせて俺をじっと見ている。
な、何だよ。
そして…。
「…ぷっ。…あははは!」
「は?!…何がおかしいの!」
突然、失笑からの大爆笑になった兄貴に、思わず突っ込んでしまった。
だって、人の顔見て急に笑い出すとか、失礼過ぎるでしょ!
「いやいやいや、ごめんごめん。そうだね?伶士を傷付けて深く悩ませたのは、本当に悪かったと思ってる。ごめんごめん。…でも、俺がやったことは間違ってない。と、思う」
「…何っ!」
でも、あんたのやったこと、倫理道徳的に全然間違ってるよ!