俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
弓削先生、魔が差してイタズラって、何するの?
人身売買といい…弓削先生って、非常に危険なんじゃないんですか?!
…と、まだ見ぬ弓削先生のことは、置いといて。
「そっか…帰ったのか」
三日経ったのに、もう遠い日の出来事のように思えるが。
魔獣のことは、昨日のことのように思い出される。
あの…悲鳴も、耳に焼き付いていて。
それが、悲しみや苦しみを訴えていたと思うと。
なお、胸が痛い。
「…そーいやねぇ。昨日、おまえの友達に会った」
「俺の…友達?」
すると、なずなはニヤニヤとしてこっちを見てくる。
「うん。呉服店芦屋のお坊っちゃま」
凌憲…?!
「…凌憲?!何で?!どこで?!」
「いひひ。警察本部で」
「えっ?!」
何で警察で凌憲と?!
何でかその光景のイメージがつかず、ビックリしていると、なずなが「いひひ…」と、面白がって笑っている。
俺が泡くってんのが、そんなに面白いか!
「…昨晩、魔獣が魔界へ帰還する前にやって来たんだ。…あのガイシャと一緒に」
「た、田丸さんと?!」