俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
だが、驚いたのは。
猪狩は、この学園に残ると決めたらしい。
今週から、学園に普通に来ているというのだ。
そして、凌憲ら生徒会の前に顔を見せ。
まず、黙って静かに頭を下げた。
その後、こんな一言を。
『…僕らがしたことは、決して許されることじゃないのはわかってる。罪を犯したんだから、罰は受けるべき。でも…』
そこにいた猪狩は…いつもの挙動不審気味の弱気な猪狩ではなく。
何か、腹を括ったような面持ちだったようだ。
『…だからと言って、責任を取ってこの学園を辞めるっていうのは、何か違うような気がしたんだ』
『猪狩…』
『…僕は、この学園に残る。ここで罰を受けて、この学園のこれからのために、出来ることを探すよ。償いじゃないけど…そのためなら、何だってする。みんなに協力する』
猪狩…あえて、棘の道を選んだのか。
「…改心して協力してくれるなんて、大歓迎だけどね?」
爽やかに笑みを浮かべる凌憲。
何となく、嬉しそうだ。