俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「さっき、頼智さんが来たんだ」
「…え?兄貴が?」
凌憲だけではなく、みんなも頷いている。
「今回のことについて、私達に話したいことがあると、わざわざここへいらしてくれたんです」
「…え?何を?」
…俺が帰ってくる少し前に。
兄貴がこの部屋に来た。
そして、カトレア会のみんなに。
なんと、頭を下げた。
今回の件について。
VIPのOBとしての、謝罪。
今回の件も、今までの件も。
わかっていながら、止めることが出来なかった。
本当に、申し訳ない。
兄貴が謝罪?…嘘。
…そして、みんなに一言、いや二言添える。
『ドン底まで落ちて、何も無くなってしまったら、新しいモノを作って這い上がるしかない。…だから』
俺に告げた内容のことと同じこと。
『…だから、残された君たちカトレア会や、生徒会らみんなが奮起してくれることを願う。君たちなら、きっとやってくれると思ってるから』
それと。
『今後の高等部が、輝かしい未来を送れる学園を造ってほしい。…全人類、手を取り合えるような学園を』
そして、出来ることがあれば何でも協力すると約束をして。
兄貴は、去った。