俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
先入観もあるし、カッコいいと言われても喜べない。
褒め言葉で嬉しい一言ではあるんだけど。
それに、この子にカッコいいと言われてもなぁ…。
…と、思うと。
(………)
途端に、思い出されるのは。
なずなの顔だったりする。
ヤツこそが、俺がカッコいいと一番思われたい人なんだけど。
あいつが…俺をカッコいいと思うだろうか。
果たして。
(………)
伶士はネガ男。ぷぷっ。
…あぁ、どう考えても、その可能性は1%もない。
男としては、はっきり言って悪印象だからな。
なずなのことが頭を駆け巡る中、そんなことは露知らずな御堂凛々子は、構わずどんどん俺に話し掛けてくる。
「サッカー部忙しい?お兄ちゃん気にしてたよ?」
「あ、あぁ。そうだな。そろそろシーズン入るし…」
「試合始まったら凛々子応援に行くね?」
「う、うん…」
「と、もうすぐ春休みだねー。伶士くん、何してるの?」
「…部活、かな。忙しい部活だから」
「でもオフはあるでしょ?」
「うん、あるけど」
「暇な日、一緒に出掛けない?」