俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「こないだの三密カラオケだって、ひかりんあんなに頑張ってたのになー?伶士はなんか上の空だったし。…悩み事?」
「え?安村さんが?何頑張ってたの?」
「………」
陣内をはじめ、みんなのジトッとした視線が突き刺さる。
え?え?何で?
「おまえのぉー…ひかりん、おまえにあんなに好きアピールしてたというのに、ひとつも気付かんのですかい…」
「健気にドリンク注文してもらったり、お料理取り分けてもらったり、『調子悪いの?』と声を掛けてもらったりしたろー」
「安村かわいそー。当の王子様は『何頑張ってたの?』って。それドS設定?」
「欲しがるヤツには与えないって?うわうわ。キビシーね?王子」
「………」
これ以上口を開くのはやめよう…。
軽く悶着が起こりそうだ。
悶着物語、開催。なんて。
しかし、御堂さんといい安村さんといい、よくもまあいろんな女子が現れるもんだ。
けど、御堂さん…今日、やっとわかったような気がする。
お兄様が切になって言う『性格悪い』が。