俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「まぁー。さすがのみっちょもリンリン相手にこれは出来んだろけど」
「知ってんのか…」
「有名な話だぜぃ」
「………」
しかし、こうもトラップばかりだとだんだんめんどくさくなってくるぞ。
人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られて死んじまうんなら、御堂さんも富岡さんもバッコバコ蹴られてるはずですが。
やれやれ。
…と、いろいろ頭に巡らせていたが。
(…あ)
当初の目的を、みるみると思い出してきてしまった。
「…あぁっ!」
そうだ、俺…!
「どうしたよ。伶士殿」
「…そうだ。なずな、なずな。…なずなどこにいる?!」
思わず、そこにいた川村におもむろに聞いてしまう。
そうだ、今の俺。
なずな捜索中…!
すると、川村からはあっさりと返答される。
「なずぽか?…なずぽなら、あそこにいるじゃんか」
「えっ?!」
川村の指差した方向を辿って見る。
そこは、1年6組の前。
教室の前になずなはいた。
いた…!