俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


いろいろと、考えてしまう。

気にかかることはいくらかあるのだ。



「…その潜入捜査、いつ行くんだ?」



頭の中に思考を巡らせながら、声を落としてなずなに問う。

俺がぐるぐる考え事してるなんて露知らず、なずなはあっさりと答えた。



「明日。明日は、公立は入試でどこも休みだけど、私立は普通に授業らしいからな」

「そうか…」

「…あ、おまえ。この事絶対喋るなよ?」

「喋るか」



でも…半ば見限って出ていった学園とはいえ、母校であることには変わりない。



いったい…何が起こってるんだ?

北桜学園に?



それに…。



(………)



「…ん?どうした?」



目の前にいるなずなの顔をじっと見つめる。

そんな俺の視線に首を傾げているけど。




…俺には、心配にしていること、危惧していることがある。




《た、頼む!…ちょっと待ってくれ!》

《殺さないでやってくれ!》




先日の件にある。

なずなの思いが走る、暴走。




《…助けたかったぁ…》




流した、涙。



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