俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~

「…何だかんだ、伶士も忙しいじゃん」



そして、しつこくぷぷっと笑う。



「モッテモテのお坊っちゃま王子様だもね。みんな、王子様とはデートしたいってか?」

「は…」

「まあ、モッテモテ過ぎて私なんかの約束は後回しになりそうだな?絶対食わしてくれんならいつでもいーけどさ。クックッ」

「………」



…今、なんか。

すげームカついた。



何だかんだ忙しいじゃん、とか。

私『なんか』とか…?



決して、忙しくはない。

なずなとの予定のためなら。

最優先事項、他の女の予定なんて、向こうが勝手に言ってるだけで、俺的には無いようなもん…!



それに…誰が後回しにするって言ったよ。

その予定のため、俺、必死になってるんだってよ…!



…冷静に考えれば、ほんの些細な事ではあるんだけど。

度重なる邪魔者の対処に、実はすでに頭がいっぱいいっぱいになっていた俺は。

そんなどうでもいいことに、イラッとしてしまったり…。


< 433 / 492 >

この作品をシェア

pagetop