俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…何だかんだ、伶士も忙しいじゃん」
そして、しつこくぷぷっと笑う。
「モッテモテのお坊っちゃま王子様だもね。みんな、王子様とはデートしたいってか?」
「は…」
「まあ、モッテモテ過ぎて私なんかの約束は後回しになりそうだな?絶対食わしてくれんならいつでもいーけどさ。クックッ」
「………」
…今、なんか。
すげームカついた。
何だかんだ忙しいじゃん、とか。
私『なんか』とか…?
決して、忙しくはない。
なずなとの予定のためなら。
最優先事項、他の女の予定なんて、向こうが勝手に言ってるだけで、俺的には無いようなもん…!
それに…誰が後回しにするって言ったよ。
その予定のため、俺、必死になってるんだってよ…!
…冷静に考えれば、ほんの些細な事ではあるんだけど。
度重なる邪魔者の対処に、実はすでに頭がいっぱいいっぱいになっていた俺は。
そんなどうでもいいことに、イラッとしてしまったり…。