俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「れ、れ、伶士、待て!落ち着け!一旦落ち着こう!…な?」
「…は?」
「ここは冷静になれ!落ち着け!…な?」
フリーズが解けたと思ったら、今度は…俺、宥められてる?
な?って。
え?何?
何で、俺が宥められてるんだ?
「俺は落ち着いてるけど…」
あんなイライラからのこの冷静な物の言い様。
俺、よく苛立ち抑えたと思うけど。
しかし、ヤツは「いや!いやいや!」とおもいっきり首を横に振って反論してくる。
むしろ、その意味のわからない態度に、少しばかりか「あぁっ?!」とイライラした。
…そして、ヤツのここからの一言が。
俺のイライラ爆発の起爆剤となる。
「伶士、よく考えてみろ?…私だぞ?相手、私だぞ?!」
「は…」
相手、私だぞ?って?
「そうだけど…」
「な、何を言ってるんだ!少し冷静になれ!…まさか、王子様でお坊っちゃまのおまえがギャルの私を好きになるワケがないだろう?」
「は…」
「それに、おまえと私は雇用関係だ!雇い主とボディガード!」
「は…?」
「お坊っちゃまに見合う相手はいくらでもいる!…私でなくとも!」