俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…わかった。ちょっと落ち着いたところで話をしよう」
そう言って、一旦手を離す。
…が。
「ち、ち、ちょっと今は無理ぃぃっ!」
「…あっ!」
手を離した途端、なずなは再び背を向ける。
ダッシュをかけ…しまった!逃げた!
「…無理って何だコラアァァァッ!!」
怒り、再び。
逃げた…追わねば!
無理って何だ!何なんだ!
…逃げるなああぁぁっ!
そして、完全距離を離される前に、俺もダッシュで後を追う。
乙女のかわいさに一瞬やられた自分が、憎い。
なずなは一筋縄ではいかない。
こういうヤツだということを忘れていた…!
「…待て!…待てコラアァァァッ!」
「無理!無理無理!…むうぅぅぅっ!助けてえぇぇぇっ!」
そして、ヤツは3組の教室へと向かっている。
ひょっとして、川村のところに逃げるのか?
過去に見る、なずぽよ劇場か!
廊下の人混みを掻き分けて、ヤツは走って逃げる。
そんなヤツを、同様人混みを掻き分けて追っている俺。
なかなか距離が詰まらない…!