俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
「…逃げるな!…誰か、誰かそいつを捕まえてくれ!」
「ひ、ひいぃっ!」
ラブストーリーでも、ラブコメでもない。
まるで、ホラーだ。この猛追ぶり。
俺の今の一言で、ヤツは更にダッシュをかける。
あ…逃げられる!
ホラー映画ばりに猛追していくと、ヤツは3組に辿り着いている。
やはり、川村のところか!
目的地に到達し、3組の出入口に飛び込もうとした、その時。
「わっ!」
「おっ、危ね」
そんなヤツを阻むかのように、入れ違いに人が出てくる。
しかし、そいつは…俺の味方だ。
「何だなんだ?そんな急いで」
輝樹!
俺と同じくサッカー部の部員であり。
なずなとは、同じ中学出身だ。
意外だった、共通の知人。
「フジテル!…そこをどけぇぇいっ!」
「は…はぁっ?!」
そんななずなの剣幕に、輝樹はそりゃもちろん驚く。
「輝樹、そいつを捕まえてくれぇぇっ!」
「…は?伶士?」