俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~
(音宮って…)
「ったく…。お、伶士もどうした?音宮と何かモメたのか?」
「………」
また…。
「輝樹…」
「ん?どうした?そんな青ざめた顔して」
「今…何て言った?」
「え?『音宮と何かモメたのか?』って……あっ」
そう言って、輝樹は自分の口を塞ぐ。
「いけねっ。…今は、鈴代だっけ」
やはり…!
「て、輝樹!」
「え?…あっ!どうした?どうした!」
今度は、輝樹の手をおもむろに掴む。
ぐっと引っ張って、ずかずかと来た道を引き返した。
「伶士?伶士!どうしたんだ!」
「…おまえに聞きたいことがある!」
ビビった。
マジでビビった。
まさか、こんなところで、こんなことが発覚するとわ!
心臓がバクバクいってる。
無理矢理でっかく動いてるかのように。
…音宮陰陽事務所の社員、鈴代なずな。
音宮、陰陽師というからには…ひょっとして、音宮のおじさんらと知り合い、もしくは関係があるのかも、とは思っていた。
しかし…なずなが『音宮』?
これは、いったい…どういうことなんだ!